
ネパールの乳業事情
伝統的農業国であるネパールの農家では、家畜を飼うことは絶対に必要なことであります。ダヒ、ギィー、バターの作り方は農業共同体の間で代々受け継がれ、家庭用として少量だけ作られました。乳、ギィー、ダヒ(カットヨーグルト)、そしてバターのことはヒンズーや仏教の昔話にも語られていました。
ネパールの近代的乳製品産業は民主化直後の1952年から始まり、その後、FAOが乳製品開発に手助けした結果、1953年に、まずヒマラヤの珍しいチーズとして、ヤクチーズの製造工場がカトマンズから歩いて7日間かかるLangtangに設置されました。
現在、ネパールの乳製品はDDC(Dairy Development
Corporation国営工場)が半分以上製造していますが、1960年代に創立したプライベート企業も多くなっています。現在では殺菌乳、バター、チーズ、ヨーグルト、ギィー、パニール(酸で固まらせたカゼイン)が主要乳製品となっています。
問題は山奥から原料乳を集めることの難しさ、生産者の衛生観念が不足していることなどがあげられます。日本の乳業界の状態と較べ50年以上遅れていると思われます。
2003年に再調査に行った会社はネパールでは大手の乳業会社ですが、一回目に行ったときから改良はほとんど進んでいないようでした。これはネパール人ののんびりした性格によるものでしょうが、チョット先が思いやられる気がしています。根気良く指導していかないとと思いながら、温厚な会長さんがすすめてくれる家庭料理を頬張る私たちでした。
2008年3月に行った時には工場はアイスクリーム製造で従業員はとても忙しそうでした。でも衛生的にはまだまだ問題点があるようです。
バグマティ県カブレ郡クンタ村にある牛乳工場。
水牛と牛のミルクを造っており、カトマンズや丘の上の方までトラックで運んで販売している。2008年7月撮影

上段に並んでいるのがナチュラルチーズです。
パニールとは牛乳に酸(主に果実の酸)を
加えて牛乳中のカゼインを固まらせた食品
でソフトチーズに似ている。
